教室に戻ってきて、咲希と話していたとき・・・
「あんずちゃーん!6組の男子が呼んでるよ~。」
「6組??・・・何の用だろ。」
「行ってきな。」
「うん。咲希、行ってくる。」
私は、そう告げると教室を出た。


「俺、村山のことが前から好きだったんだ。もし良ければ、俺と付き合ってくれない?」
今、私と6組の子は校舎裏にいる。
呼び出された内容は、告白だった。私に告白なんて物好きもいるんだな。
「あの、あ、ありがとう。すごく嬉しいんだけど、あなたとは付き合えません。ごめんなさい・・・。」そう言って、私は頭を下げた。
「そっか。分かった。急に呼び出してごめんね・・・じゃ。」
彼は、静かにその場を去って行った。
「何だか、悪いことしちゃったかな?・・・」
はぁ~~~。
私も教室に戻ろうとしたけど、あるものが見えてその足を止めた。
それは、今はすっかり散ってしまった桜の木だった。
大きな木・・・。その桜の木を少し越した所に青いベンチがある。
その上には・・・・・・。えっ!!
人が倒れてた。
私は、慌てて近づいた。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「スゥ・・・スゥ・・・」
え、もしかして寝てる?
その人からは、規則正し良い呼吸しか聞こえてこない。
はぁー。なんだ。慌て損じゃん!
私は、もう一度教室に戻ろうとしたけどこの人が寝てる場所は、少し陰になっていて寒そう。
仕方なく自分が着ているブレザーをその人に被せ、今度こそそこから立ち去った。