俺様幼なじみと甘々生活!?【完】

 ──時刻は21時を過ぎていた。

キラキラと輝く街、学生服やスーツを来た人々の間を、私たちは通り抜けていく。



「裕樹君、ホントにありがとう」

「別に」

「ううん、ホントにありがとう。それにしても、どうやってここだって分かったの?」

「それ? 真悟から聞いたんだよ。何か、間宮が合コン計画してるって聞いたらしくて」

「そうなんだ……。ごめんね、ここまで来てもらっちゃって」

「気にすんなっつってんの」

「うん。──わっ!?」



誰かの肩がぶつかって体がよろめく。

危うく倒れそうになった私だったが、腕を掴んでくれた裕樹君のおかげで転ばずに済む。



「おっと。大丈夫か?」

「うん、平気」

「ったく。お前、小さいから目立たねぇんだよ」

「む、ちっちゃくないもん」

「危なかっかしいから、ほら。離さないでいてやるよ」



そう言って、裕樹君の手が私の左の手を優しく包み、ぐいっと引っ張っていく。


手をつながれたことに恥ずかしく思い、力を入れて振り払おうとするけれど、びくともしない。