「で?」
「え?」
「笹島。誰かと帰ったわけ」
「うん。優護君って人と一緒に帰ってたよ」
「ふーん……。結構、真悟が気にしてたから」
「そ、そうなの? でも、弥生が真悟君が『好きな子がいる』って……」
「はあ? それ、いつ聞いたわけ?」
「さあ……。昨日の朝、聞いたから、一昨日より前なんじゃないかな」
「ふーん……。俺、前に『笹島のこと、どう思ってんの?』って聞いたことあるけど、『ただの幼なじみだ、ま……今は好きな子として、だけど』って言ってたから、聞き間違いじゃないのか?」
「聞き間違い、かぁ……。あとで、いつ、それを聞いたのか、訊いてみる」
「ん。俺もとりあえず、真悟に確認してみるわ」
「ありがとう」
「別に。お前のためじゃねぇし。──ま、でも、お前の友達のことだからな」
「うん」
私のためじゃないかもしれないけれど、それでもうれしい。
やっぱり、裕樹君が優しいところは変わってないんだなぁ……。
私、本当は裕樹君のことがまだ好きなのかもしれない。
今まで会っていなかったから忘れていただけで、それでいて、昔の裕樹君と変わっていたからギャップを感じていただけで、本当は好きなのかもしれない。
ギャップは感じていたけれど、優しいところは変わっていなくて。
今でも、ドキドキしてしまうのはそれは、きっと……。
「え?」
「笹島。誰かと帰ったわけ」
「うん。優護君って人と一緒に帰ってたよ」
「ふーん……。結構、真悟が気にしてたから」
「そ、そうなの? でも、弥生が真悟君が『好きな子がいる』って……」
「はあ? それ、いつ聞いたわけ?」
「さあ……。昨日の朝、聞いたから、一昨日より前なんじゃないかな」
「ふーん……。俺、前に『笹島のこと、どう思ってんの?』って聞いたことあるけど、『ただの幼なじみだ、ま……今は好きな子として、だけど』って言ってたから、聞き間違いじゃないのか?」
「聞き間違い、かぁ……。あとで、いつ、それを聞いたのか、訊いてみる」
「ん。俺もとりあえず、真悟に確認してみるわ」
「ありがとう」
「別に。お前のためじゃねぇし。──ま、でも、お前の友達のことだからな」
「うん」
私のためじゃないかもしれないけれど、それでもうれしい。
やっぱり、裕樹君が優しいところは変わってないんだなぁ……。
私、本当は裕樹君のことがまだ好きなのかもしれない。
今まで会っていなかったから忘れていただけで、それでいて、昔の裕樹君と変わっていたからギャップを感じていただけで、本当は好きなのかもしれない。
ギャップは感じていたけれど、優しいところは変わっていなくて。
今でも、ドキドキしてしまうのはそれは、きっと……。

