俺様幼なじみと甘々生活!?【完】

「ダメだなぁ……」



その場に足を止めて夜空に向けて顔を両手で覆い、ため息を吐き出す。



「りーおちゃん!」

「わっ!?」



考え事をしていたときに両肩に手を乗っけられて、大声を出して驚いてしまう。

慌てて振り返ると、そこには用事があると言っていた瞬君がいたのだ。



「瞬君? なんで……帰ったんじゃ」

「あー、あれ? あれ、嘘」

「嘘?」

「そっ。俺、理央ちゃんと帰りたいなって思って」

「あ、そ、そうなんだ……」



そうと言ってくれればいいのに、どうしてそんな回りくどいことをしたのか。

疑問はあるけれど、瞬君が「帰ろ?」と先に歩き出したので、私も動く。



「きれいな空だね」

「そうだね」

「ごめんね、樹があんな冷たく……」

「いいよ。私が余計なこと言っただけだし」

「いやいや。あれは樹が悪いよ。せっかく理央ちゃんががんばって話しかけてくれたのに」

「そんなこと……。私は気まずかったから、勝手に推理して言ったら機嫌悪くしちゃっただけだから」

「理央ちゃんって、優しいんだね」

「そんなことないよ」