「……オイ、起きろ」

「へ……? あ、おはよー」

裕樹君に体を揺すられて、目をこすりながら起きた。


「裕樹君、カゼ治ったんだね」

「ああ」

そっか、よかった……。


「看病してくれたんだよな。サンキュ」

「ううん、大丈夫だよ。裕樹君のあんな一面も見れたし」

「は?」

「あ、ううん。なんでもない」

多分、話しちゃったら、『絶対、もうカゼ引かない!』って言うからね。


「……、ま、いーや」

そういう裕樹君の顔は、全く納得してないって感じだった。