「わ、わかったよ」

仕方ないよね。

カゼ引いてるわけだし……。


具をすくって、息を吹いて少し覚ます。


「……裕樹君、あーん?」

裕樹君の口に向かって、スプーンを差し出す。


「……ん」

そしたら、裕樹君は食べてくれた。


「どう?」

「うん、うまい……」

やっぱり、かわいい……。


「理央が作ったのか?」

「うん。両親とも、今日は仕事だから」

「……だから、余計にうまいのか」

「え……っ」

裕樹君って、こんなに素直になるんだ。


あの頃は、裕樹君がカゼ引いてるのを見たことないからなぁ……。