「少し、楽になったか?」

「うん……。ありがとう」

裕樹君から離れて、お礼を言う。


「じゃあ、帰るか」

「うん」

裕樹君はやっと制服に着替えて、歩き出した。

私も、裕樹君の後について歩く。


まだ、裕樹君に抱きしめられた感触が残ってる。

ぬくもりも。


それに、ドキドキしてる。


私、もしかして、裕樹君のこと……?

 ──正直、わかんない。


でも、雄一君のことは好きだもん。

ただ、まだ、あの日のことが頭に残ってるだけのこと。