「我慢しようと思ったから」

さらに意味不明なんですけど。


また、私が不思議に思ったことを感じ取ったのか、顔を歪めて頭をかく。


「お前に手ぇ出すの」

な、なんで?


さっきから話が断片的すぎて、ついていけない。


「……。これ以上、教えねーよ」

裕樹君はやっと手を離してくれた。


「……。裕樹君のこと、全然、わかんないよ」

「は?」

「私……、裕樹君にイヤなこと、した?」

気づくと、そんなことを口走ってた。

おまけに、涙まで出てきちゃう始末で……。