「──オイ、何してんだよ?」

「え?」



キスしてくれるのを待っていると、裕樹君が不満そうに口を開いた。

私は目を開けると、扉からこちらの様子を窺う大人の姿があった。


その中で、私のお母さんが「バレちゃったわね」といい歳した大人がペロと舌を出す。



「バレちゃった、じゃねぇ!」

「これからはもっと会う機会が増えたなぁ」

「裕樹君、うちの莉桜を頼んだぞ!」

「もう出てってくれよー!」



これからは、長い付き合いになれそうです……。



「裕樹君」

「あ!? 何だよっ……」



私はちゅっ、と裕樹君にキスを落とした。

そうしたら、裕樹君は顔を真っ赤にして、さらには口をぱくぱくさせている。

まるで、金魚だ。


私はペロ、と舌を少し出して笑った。



「これからはずっとよろしくね?」




-END.