「昔はね、この子、『理央ちゃんと離れたくないよぉ!』ってすごく泣いてたのよ? 泣き止ませるのに苦労したわぁ」

「あっ、オイ! その話はやめろよ!」

「何よ、その口の利き方は!」

「始まったぞ、親子げんかがー。誰か止めろぉー」



すっかりできあがった大人で騒がしくなってきて、裕樹君のイライラが頂点に達したのか、裕樹君は私の手を無理やり掴んだ。



「ったく、勝手にやってろ!」

「ちょっ、ちょっと裕樹君!」



手を引っ張られるまま、リビングを駆け足で後にした。