おばさんたちの後ろから、裕樹君の声が聞こえてきた。



「あ、裕樹君! いたんだ!」

「いたんだ! じゃねぇよ! ずっといたっての!」



裕樹君はご両親の引っ越しの手伝いをしていたのだ。



「もう、そんなに怒らないの。恥ずかしいじゃないの、もう」

「ささ、中に入りましょう。今日のためにうーんと腕によりをかけたんだから!」

「そうなの? 昔から上手かったものね、料理は」

「森山さん。今日は久しぶりに飲みましょう!」

「いいですね〜!」

「飲みすぎないでよね?」