弥生は「へっへー」となぜか自信満々な感じに笑ってから、私の背中から降りてきて、隣に並ぶ。



「二人の仲よさそうな背中が見えたからね!」

「で、真悟君は?」



弥生は「あそこ」と言って指を指すと、真悟君は二人分のカバンを持ってかなりの距離で歩いていた。

そこで、私たちを見かけるなり、自分のカバンを押しつけてここまで走ってきたのだろうと優に想像がついた。



「今日も不憫だね、真悟君は」

「だな」

「いやぁ、それにしてもよかったね! 二人とも付き合いはじめたんでしょ?」

「うん」

「コイツは相変わらずだけどな……」

「弥生……。急に走るなよな……」

「真悟! 遅いよ!」

「そんな無茶なこと言うなよ……。昨日はさんざんに振り回しやがって」

「それは謝るってー」