そして、晴れて付き合うことになって初めての登校日がやってきた。



「裕樹君。起きて」

「んん?」

「時間だよ!」



裕樹君の体を揺らして起こすと、まだ眠そうに目をこすっている。



「もう、起きる時間だよ?」

「あぁ? まだ眠ぃ……」

「ダメだよ。学校行かなきゃ。ほら、裕樹く──わぁっ!?」



再び体を揺らそうとすれば、その腕を掴まれて裕樹君の体に飛び込む形になり、やがて抱きしめられる。



「ちょ……裕樹君!」

「理央、あったけぇ……」

「あったかいじゃないよ〜! 離してぇ!」

「もうちょい、このまま……」



ぎゅうぅぅっと抱きしめられ、身動きが取れない。

このままでは私も遅刻してしまう。



「ダメだってばぁ!」