「ホントにごめんね? だから……その、恋人つなぎでもしてみようって思って……」

「恋人つなぎ、知ってんの?」

「それぐらいは知ってるよ! マンガでも見るし」

「あっそ……」


ぎゅっと裕樹君の手に力が入った。

それに気づくと、なかなか手が離れないことも分かって、これがまさに『恋人つなぎ』と呼ばれるものなんだろうと実感した。



「あのね、裕樹君?」

「ん?」

「私はね……裕樹君よりも、もっとずっと好きだよ?」

「……は?」



そして、街頭の下に差しかかると同時にボッと裕樹君の顔が赤くなった。

もう耳まで真っ赤で。



「裕樹君?」

「不意打ちすぎるだろ……」

「え? ダメだった?」

「いや……ヤバいほど。それ、俺以外に言うなよ?」

「い、言わないよ! だって、裕樹君だから言ってるんだもん」

「だから、そういうこと言うなよ……。マジヤバい……」