「あ……。手、つなぎたかったの?」

「お前……。普通は察しろよ」

「ご、ごめん!」

「ったく……。俺がお前のこと、すげー好きみたいになってんじゃねぇか……」

「ご、ごめんね! 鈍くて……」

「別にいいけどよ……」

「拗ねないでよ〜」



裕樹君はまだぶつくさ言いながら歩き出した。


そりゃあ、私のほうが悪いけど……。



「ホントにごめんね?」

「ああ……」



どうしたら機嫌が直るのかどうか探っていると、ふと『恋人つなぎ』という手のつなぎ方を思い出した。


確か……こう、指を絡めて……。


指を動かして裕樹君の指の間に入れると、裕樹君が急にビクリと反応した。



「り、理央?」