俺様幼なじみと甘々生活!?【完】

「何、泣いてんだよ」

「え……?」


声のした方向──後ろを見ると、そこには裕樹君が立っていたんだ。

幻かな、と涙を拭いたが、その幻想は消えずにいた。


「うそ……」

「うそ、じゃねぇよ。幽霊を見たみたいな反応すんな」



はぁ、とため息をついて、こちらに歩み寄ってきた裕樹君は私の目元を親指で優しく撫でる。


「な、なんで……いるの?」

「そりゃ、入ったに決まってるだろ」

「じゃないよ……! い、行かないって言ったじゃん……っ」

「あれは一緒に行かねぇって言う意味だよ」

「え……え~っ!?」

「なんだ。そうだったんだ、柿原君?」

「裕樹、すげー面倒だぞ……」

「悪かったな。回りくどい人間で」

「ホントだよねー」