「おはよ、理央」

「おはよー」

「なんかあった?」

さすが、弥生。

私のテンションが低いことで、何かがあったことを察する。


「実は昨日、アイツが来たの」

「アイツ? ……ああ、もしかして、裕樹君とかいう?」

「うん!」

「へえ? よかったじゃん」

「な、何が?」

「初恋、実るかもよ?」

弥生はニヤニヤしながら、言い放った。


すると、私の怒りのゲージがぐーんと上昇していき、爆発した。


「全っ然、よくない!」

「は? なんで?」

私が涙目になりながら怒るものだから、弥生は引いていた。


「だってアイツ、すっ……ごい、俺様になってたの! 昔はすごく優しかったのに……」

「ふーん? まっ、しょせん、そういうもんなんじゃない? だって、昔から性格が変わんない人間なんていないし」

弥生はクールに言うけど、私は弥生みたいにそんな対応はできない。


「何、話してんだよ?」

「真悟!」

間宮真悟君。

弥生の幼なじみだ。


実は弥生、真悟君が好き。

だけど、幼なじみというちょうどがいい関係を壊したくなくて、ずっと片想いらしい。