「理央!」

「うう……」

「お! いたいた!」

「真悟! と、柿原君!」

「俺は彼氏のおまけか」



弁当箱を手にした裕樹君が、鋭いツッコミを入れる。



「あれ? 柿原君、いつもの弁当箱の包みじゃないね?」

「ん? これか? これ、理央が作ったんだと」

「えっ!? 理央、作ったの!?」

「ま、まあね……。最近、お母さんがいなくなると、裕樹君が何か作れって言うから、料理してたらできるようになっちゃったし……。それに、たまには……ね」

「へえ、そうなんだ? ほら、弥生。お前も見習え」

「うっ、うるさいな! 私にだってできるもん!」

「お前、卵焼きもできねぇくせに威張るなよ……。恥ずかしいわ」

「うっ……言ったね!?」

「ああ、言ってやった!」