「えっ!? ダブルデート!?」

「そう! だって、裕樹君のことが好きなんでしょ!? だったら、早くくっつこうよ!」



晴れて真悟君と付き合うことができた弥生に呼び出されて、屋上でお昼をとっていると、弥生が急にダブルデートをしようと言い出したのだ。

食べている最中に言われて、口の中に入っていたおかずが飛び出そうになったのを抑えたおかげで、ゲホゲホと咳き込む。

慌てて水筒に手を伸ばして、一気に飲む。



「はぁっ……。無理だよぉ」

「そんなことないって! 私、理央のおかげで真悟と付き合うことができたし、真悟も理央に迷惑かけたから協力するって言ってくれたんだよ! それに、このままでいいの? 裕樹君はモテるし、もしかしたらそのうち彼女ができちゃうかもだよ!? だったら、早くしないと!」

「ううっ……。そ、そうだけど……」



裕樹君の気持ちは分からない。

知りたいと言えば知りたい。

でも、知ったところで何が起きるのか。

正直言って、裕樹君の気持ちを知って、私の気持ちを伝えてしまったら、またどこかにいなくなってしまう気がして、怖いんだ……。