彼女は、月泉 星七「つきづみ せいな」。


月華の幼なじみ。


落ち着いた印象の優しい性格で、変わり者の月華をちゃんと理解している。


一途に恋する乙女。



「星七!!」

「はっはい!」


急に月華に大声で呼ばれて何事かと驚く星七。


月華はルンルンで星七に近づく。


「星七っ聞いてくれ!」

「な…月華君。どうしたの?」


少しもったいぶってから、弾けんばかりの笑顔で叫ぶように言った。


「付き合うことになった!あの美月と!」

「―――…え…」


それを聞くと、星七は急に張り詰めた顔で動かなくなる。


「…誰が…?」


月華の目を見つめたまま、ボソッと小さく呟く。


月華は星七の態度に唖然として答えた。


「え…?俺が…だけど」
「えっ」

「だからっ、俺!」

「えっ!なんだ!…月華君ね…」


星七は名前を聞いて急に顔色が明るくなる。


星七の理解できない反応に、月華は冷や汗をかく。


「…?なんなんだよ、ってか何だって何だよ」

「おめでと!良かったね。前から好きだったもんね」

「あははっ。照れるなぁ」