晴が首をかしげた。


え、何!?
もう忘れてんの?


散々迫ったくせに......。


「だから!!
さっきの.........」


「さっきのってなんだよ」


真顔で言ってくる晴。


えぇ........。


しょうがない。


言ってやるか。


「あのさ?耳、かして」


「耳?」


そう言って晴は私の口元に耳を寄せた。


私は晴の耳元で囁いた。


「......大好き」


するといきなり体が宙に浮いた。


正確言うと、晴にお姫様抱っこされていた。


「ちょ、晴っ!?
やだ、おろして!!」


「やだ。
言っとくけど、こうさせたのはお前だからな」


「はぁっ!?」


晴は私を抱っこしたまま、自分のカバンと私なカバンを持ち、
そのまま教室を出た。


「まさか、このまま帰る気!?」


「悪いか?」


「悪いとかじゃなくて!!
恥ずかしいからっ」


「別に俺は恥ずかしくない」


「私は恥ずかしいの!!
だから早くおろしてよーっ」


精一杯晴の腕の中で暴れる。


「暴れんなよ。
落ちたらシャレんなんねーぞ」