私は矢野をチラッと見る。


矢野もチラッと私を見る。


するとフッと笑みを浮かべた。


え、ちょ、なにその笑み。


何考えてんの!?


「俺と優奈の関係?」


晴が言った。


「こーゆー関係」


晴はそう言って、私の唇にキスをした。


教室にいた誰もが、呆然としていた。


唇が離れると、晴は私の腕を掴み、
教室を出た。


「きゃあああああ」
「生ちゅー見ちゃった!!」
「あいつらデキてたのかよ!」


教室からはみんなの叫び声が聞こえてきた。


「ちょっ、晴!!」


「あ?」


私は晴に腕を引っ張られながら歩いた。


「なんであんなことしたの!?」


「なんでって、嫌だったか?」


「嫌..じゃないけど...」


恥ずかしすぎる。


もう、顔があつい。


「あいつらに優奈は俺のものだって知ってもらうには
一番、手っ取り早い方法だろ?」


「なんか違う方法があるでしょ!」


「細かいことは気にすんなよ」


どこまでも自己中だな。


「てか、どこ行くの?」

「屋上」


「なんで!?」


「二人きりになりたいから」


「....っ/////」