保健の先生がベッドのカーテンを開けた。


「熱?」


「や、なんかだるくて」


「そう。じゃあよくなったら教室戻りなさいね」


「はーい」


そのまま保健の先生は、出て行ってしまった。


「おい、出てこい」


晴が私に言った。


私はベッドの奥から出た。


「ふぅ....。ばれなくてよかったぁ」


...........。
沈黙。


え、何この沈黙。


え、なんで晴だまってんの?


「あ.....の?」


黙られると、妙に緊張する。


すると晴が私の顔をじーっと見てきた。


「な、何…………?」


そんなに見られると照れる。


「お前、ちょっと下向いてろ」


「は………?なんで?」


「いいから」


そう言って晴は、私の顔を下に向けた。


何?何!?
晴は何がしたいの!?


少し経って、ふぅ……という声が聞こえた。


「教室戻るぞ」


晴はベッドから降りて、
保健室を出て行った。


「…………………?」


何がしたかったんだろ。


私は疑問に思いながらも、
保健室を出た。