私は矢野に腕を引かれるまま、
歩いた。


「あ」


途中、矢野が声をあげた。


「何?」


矢野は私の腕を引いて、
校門のところに戻ってきた。


そして透き通る声で叫んだ。


「てめぇら!!こいつに手ぇ出したら、
ぶちのめすからな」


うわぁ……………。


矢野の発言に、みんな呆然。


矢野は私の腕を引いて、再び歩き出した


そしてたどり着いたのが………。


「ここって……裏校舎?」


「そ。ここなら誰も来ねぇし」


矢野はニヤッと笑い、私に近づいてきた


「ははは……あは」


私は苦笑いしか出来なかった。


「これのお詫びでもしてもらうか」


矢野はちょんちょんと、自分の頬を突いた。


私が叩いたところが、ほんのり赤くなっている。


「それとも、この俺に逆らうのか?」


あぁ。この人、すっごい俺様だ……。


私は今、そう確信した。