「矢野くん.....だっけ?」


「あれ?俺の名前知ってるんだ?」


「そりゃ、優奈ちゃんの彼氏さんだからね」


「こいつの名前、気安く呼ぶんじゃねぇよ」


晴がぎろっと遥くんを睨む。


このままだとケンカになりそうな雰囲気だったので、
私は晴に言った。


「晴、帰り寄りたいところあるから帰ろ?」


「あ、あぁ」


私は晴の手を握り、下駄箱へ向かった。


「なんで遥くんにあんなつっかかるような態度とるのよ」


「なんか気に食わねんだよ。
てか、あいつ絶対優奈に気ぃあるだろ」


「そんなわけないでしょ?
遥くんは人気モデルなんだから」


「自分が男に人気あるって、少しは自覚しろよな....」


晴がぼそっと何かを言った。


「え、何?」


「んでもねぇよ。
ほら、帰るぞ」


晴は私の手を握り、学校を出た。