「おっ、今日は起きるの早いな。よく寝られ

のか?まだ眠いなら、寝ててもいい」

「大丈夫だよ~、お兄ちゃん」

「そっか。なら、起きな」

頭を撫でられて、気づかれてないかな?って

思った。

お兄ちゃんなら、悩みがありそうなら、すぐ

に聞いてくるはず。

「日向、疲れてんのか?少し、目の周りが赤

い」

「えっ?」

昨日、夜遅くまで考えてたからかな…

「冷やす物、用意しとくな?」

お兄ちゃんが、そう言いながら、あたしの部

屋を出ていった。

あたしも、髪だけ整えて自室を出て、リビン

グに行くと、トーストが焼かれていた。

いつもは、あたしが作るのに、今日は作って

くれたみたい。

「いただきます」

「あとで、しっかり目、冷やせよ」

「そうだぞ。可愛い顔が台無しだ」

「あはは。冗談やめてよ~」

可愛い…なんて、嘘。

可愛いなんて、あたしには似合わない。

ご飯を食べ、目を冷やしたあと、顔を確認し

てから服を決め、待ち合わせ時間の5分前に

家を出ると、もう京介はそこにいて、バイク

に腰かけていた。