「…これ、物じゃないよ」

綺麗な人…あの人しか、思いつかない。

どこにいるんだろう…?

…寝るの好きだから、保健室かな?

とりあえず、行くしかないか…

保健室まで走ると、案の定、発見!!

「来てっ!!」

「…日向?なんでここに…」

「いいから、走って!!」

「…んだよ」

寝起き、機嫌悪いんだった…

「…ごめん。でも、走って!!」

「…はいはい」

ダルそうに走ってるけど、結構スピード、早

いよ!?

グランドに戻ると、あっ…まだみんな、ゴー

ルしてない。

「ダッシュするよっ」

もう、完全に起きちゃった足の速さに、あた

しはついていくのが精一杯…

一位でゴールし、引いた紙を、審判に見せる

と…

「一位です!!見事です!!」

「ありがと、京介」

あたしが、一番綺麗な人として連れていった

のは…京介でした。

「あっ…あの、湊さんとの関係は…」

京介に怯えながら、あたしと京介の手を見な

がら、審判に言われる…

あっ…いつの間に、手繋いでたんだ。

「あたしたち、どういう関係?」

「…俺に聞くな」

あたしと京介の関係…?

「ん~、仲の良い友達です」

「…熱愛報道の否定してるみてぇだな」

「そう?でも、仲良いし?あたしたち」

「…まぁ」

「橘さん、湊さんのファンは安心ですね」

「…?」

何の話だろう?

ファンって?

あ~、京介って、ファンいるんだった。

「…日向、リレー」

「あっ、そうだった」

リレーの準備、しないといけないんだったん

だ…

あたし、走るのアンカーの前だし、アンカー

は京介なんだしなぁ…

「よろしくね、京介」

「…あぁ」

リレーが始まる。

一番は、大輔で、二番は、はる君。

大輔が一位で通過、続いて、はる君も、一位

通過。

そのあと、二位になって、もうすぐあたしの

走る番。

一位のクラスの選手は…あなた、何部?

柔道?ハンマー投げ?

いや、ハンマー投げ部はないけど…

もしかして、相撲部!?

ってくらいの、巨漢…

いや、あなた、なぜ足速いのです?

いやいや、あたしだって身長低いけど、あな

たの体型じゃあ、走れないでしょ!?

いや、でも関係ないさ。

あたしはただ、全力で京介に、バトンを渡す

だけ。