今日は、はる君とのデート。

場所は、水族館。

すっごい楽しみにしてた。

イルカとペンギンのショー見るらしいし。

「はる君って、私服もカッコイイね」

制服も、とっても似合うけど。

「橘だって、私服姿似合ってるよ。今日、何

人の男が俺のことを恨むのかな?ってね」

「えっ?」

「何でもないよ。行こうか。あっ、手、繋い

でもいいかな?」

「うん」

しっかり手を繋いだあたしたちは、水族館を

歩く。

大人のカップルが多い…のかな?

あんまり同世代を見かけなくて、大人の落ち

着いた雰囲気を出すカップルが多い。

「はる君、あたし…この中に入ると、自分が

まだ子供だって再確認しちゃうよ」

「大丈夫だよ。身長は小学生でも、中身はこ

こにいる人と同じだから」

意地悪な笑顔であたしを見る、はる君。

…こんな顔、初めて見たな。

「はる君っ。バカにしないでよっ」

「バカにしてないよ。橘が可愛いから、いじ

めたくなっただけ。ごめんな?」

「いいよ~っだ。今度、はる君のこともいじ

めてやるんだからっ」

「ははっ。待ってるよ」

はる君、絶対にできないと思ってる。

「絶対にやるからね!!」

「ほら、ショーが始まるよ。しっかり見てな

きゃ」

「ふんっ!!見るもんっ」

さっきとは違う、優しい笑顔を向けてくるは

る君。

笑顔だけで、何種類持ってんのよ…

と思ってる間に、イルカショーが始まり、ど

んどん過ぎてって、ペンギンショーも始まっ

た。

「キャー!!可愛い!!」

ペンギン、可愛い♪

あっという間に、全てのショーは終わってし

まった。

「すっごく可愛かったね!!」

満面の笑みで話しかけると、はる君は顔を赤

くした。

「はる君、顔真っ赤だよ?」

「きっ…気のせいだよ」

「へ~」

これは、何かに照れてんな?

これは、さっきの仕返しするチャンス?

「何なに~?な~んで赤くなってるの?」

「赤くないよっ」

「ほんとに~?」

「さっきの仕返し?」

「うん!!」

「もう、意地悪しないよ?」

「うん」

「ごめんね?」

「いいよ」

仲直り(?)をした後、ペンギンのキーホルダ

ーをもらった。

はる君とのデートは、とってもあったかかった。