「行くぞ、チビ!!」

「だから、チビって言うなよ!!まぁ、いい。

行くよ、ヤス!!」

今日は、ヤスのデートです。

今日のデートプランは、バッティング、卓球

と、打ちっぱなしと、あとは、ボーリング、

ビリヤード…などなど、運動尽くし!!

あたし的には、大満足なプラン。

相手はヤスだし、なんだって全力でやる!!

卓球だって、ビリヤードだって、ボーリング

だって、ヤスには負けない!!

「よっしゃあ!!ストライク~」

「やったね!!あたしもストライクだよ」

二人でストライクばかりだし、勝負がつかな

い、ボーリング。

次は、バッティングと打ちっぱなしをやり、

さんざん自分の時間を大切にした後、次は卓

球をやった。

デュースばっかり続いて、勝負がつかなかっ

たから、次は最後のビリヤード。

時計を見ると、もう5時。

京介の別荘を出たのが、11時で、それから、

お昼を食べて、6時間近くたった。

最後は、ビリヤード。

ちなみにあたし、一番ビリヤードが得意で、

今日の勝負のつかなかった、他の遊びを含め

て、ビリヤードでヤスに勝ってやる!!

数学の計算は苦手でも、こういう計算は得意

なの。

「負けないからね、ヤス」

「てめぇなんかに、俺様が負けるか」

「やってみればわかるよ。ほら、早くやろう

よ」

赤髪のヤスみたいなのが、ビリヤードをやる

のが不思議なのか、ヤスの格好が派手で目立

つのか、人が集まってきた。

あっ、ヤス、カッコイイからかな?

そうだよね。

あの不良メンバー、みんなイケメンで、京介

はカッコ良すぎるけど、みんな、普通にいた

らイケメン。

ヤスも徠斗も、イケメン。

「これで、負けた方は恥ずかしいね」

「チビだし、余計目立つから恥ずかしいな、

お前」

「赤髪だから、目立っちゃうよ、ヤス」

「俺様は負けねぇよ」

集中してるあたしたちの周りには、さっきよ

りも人が増えていた。

そして、最後の玉をあたしが入れ…あたしが

勝った。

「やったぁ!!ヤスに勝った!!」

あたしがそう叫ぶと、あたしたちは拍手に包

まれた。

「うっせぇ、チビ。この状況で、男が本気で

勝負して勝ったら、それこそダセェよ。わか

ったか、チビ」

「でも、あたしの勝ちだもん」

「わ~ったよ。チビの勝ちだっつの」

グシャッとあたしの髪を、乱暴に撫でたヤス

は、照れ臭そうに笑った。

「次は負けねぇからな」

次の勝負の約束をして、ヤスとのデートは終

わった。