キーンコーンカーンコーン♪

「はぁぁぁぁ、終わっちゃったよ。地理。」
「終わって、悲しむ人って、今時珍しいよね」

だって、勉強大好きだもん。
それと…
「周りは、彼氏作ってんのに自分だけいないという心を紛らわすため?」

親友、千陽(ちよ)の言葉に私はうなずくしかなかった。

私、恋野 魅音は15年間好きな人がいないというある意味スゴイ人。

告白は、されるよ。

されるけど、イマイチきゅんっ*と来ない。

だって、
好きな人に告られたらきゅんっ*とするんでしょ。

うーむ。

「あ、あれは!?」
千陽が、何か思い付いたように叫んだ。

「小野寺 春!!」

だ、誰?

私の頭の上には?が飛び交っていた。
恋をしたことがないから、男子の名前なんて全然覚えてない。

と、その時。

「きゃ~!!!」

耳がふっとんでいっちゃうくらいの
女子達の叫び声が聞こえた。

「あ、ちょうど来たみたい。あれが、小野寺 春。」

女子の間から、たまに見える小野寺 春の顔は、
はっきり言って、

超超超超かっこ良かった。

手を振る仕草や
笑う時の顔。

すべてがしなやかで、まるで王子様。

髪の毛も少し茶色がかっている。