「突然ごめん。でも友絵さんには知っていてほしくて」
水瀬君はそこでいったん言葉を区切った。
「そういうわけで、オレはあいつに負い目があるんだ。もしもオレがいなかったら、智は家族をなくさずにすんだ。……それか、オレが一人で黙って死んでれば」
「そんな、こと」
そんな、悲しいことを言わないでほしい。
水瀬君に負い目ができて、二人の関係が微妙に変わってしまった。
そのことも智先輩にとっては悲しかったんじゃないだろうか。
私がそう思っていると、水瀬君が不意に口を開いた。
「――じゃあオレはそろそろ帰るぜ」
「え? あ、はい」
「友絵さんと話せてよかった。これからも頑張れ」
水瀬君は笑顔で軽く手を振る。
文化祭のついでではなく、本当に智先輩に呼び出されて来たらしい。
私の願いのためにわざわざ来てもらって申し訳なく思った。
礼を告げようと空気を吸えば、後ろから穏やかな声がかけられる。
「あ、いたいた。友絵ちゃんだ」
智先輩が駆け足気味に角の向こうから現れた。
友絵ちゃんという呼び方が嬉しくて、くすぐったい。
水瀬君はそこでいったん言葉を区切った。
「そういうわけで、オレはあいつに負い目があるんだ。もしもオレがいなかったら、智は家族をなくさずにすんだ。……それか、オレが一人で黙って死んでれば」
「そんな、こと」
そんな、悲しいことを言わないでほしい。
水瀬君に負い目ができて、二人の関係が微妙に変わってしまった。
そのことも智先輩にとっては悲しかったんじゃないだろうか。
私がそう思っていると、水瀬君が不意に口を開いた。
「――じゃあオレはそろそろ帰るぜ」
「え? あ、はい」
「友絵さんと話せてよかった。これからも頑張れ」
水瀬君は笑顔で軽く手を振る。
文化祭のついでではなく、本当に智先輩に呼び出されて来たらしい。
私の願いのためにわざわざ来てもらって申し訳なく思った。
礼を告げようと空気を吸えば、後ろから穏やかな声がかけられる。
「あ、いたいた。友絵ちゃんだ」
智先輩が駆け足気味に角の向こうから現れた。
友絵ちゃんという呼び方が嬉しくて、くすぐったい。
