そこまで聞いて僕は、あやのにそっと唇を重ねた。

「シンゴ、ごめんね」
「何?」

「私、すっかり汚れちゃった」

僕はあやのをきつく抱きしめた・・・

ベッドにタオルケット姿で横たわっているあやのに、「電気消そうか?」と聞いたが、あやのは首を横に振った。

「暗くなるとお布団の中を思い出すから」

あの母親と旅館の旦那の情事は、あやのに深い瑕を残してるようだった。

「私の体を見て」

少し肋骨が浮いて見え、小振りだが形のよい胸がそこにはあった。
「私の体、忘れないでいて・・・」

あやのは、まるで自分の中の汚らわしいものを消し去ってくれと言うように、何度も求めてきた・・・