SUN or RAIN ①





「樹里ちゃんってスポーツとか何かしてるの?」



「あ、空手してるよ!」



「空手かぁ…! 黒帯とか?」



「うん、一応」



すっげー、といって目を見開く太陽君。



工藤君は本を読んでいて何も喋らなかった。



ガタッ―――突然工藤君がたちあがった。



「帰る」



そう一言吐くと鞄を持って出口に向かう。



「時雨待てよ! …じゃあ、樹里ちゃんも一緒に帰ろ?」



「えっ? あたしも?」