「樹里ちゃんってスポーツとか何かしてるの?」 「あ、空手してるよ!」 「空手かぁ…! 黒帯とか?」 「うん、一応」 すっげー、といって目を見開く太陽君。 工藤君は本を読んでいて何も喋らなかった。 ガタッ―――突然工藤君がたちあがった。 「帰る」 そう一言吐くと鞄を持って出口に向かう。 「時雨待てよ! …じゃあ、樹里ちゃんも一緒に帰ろ?」 「えっ? あたしも?」