「俺、君のこと気に入っちゃった」



へ?



「だから…」
ぐいっと顔を向けられた。


「そんな顔しても可愛いだけだよ」


じゃーねと言って歩いて行ってしまった。

その後ろ姿に叫んだ。


「もう! からかわないでってば」


クスリと笑って手を挙げてまた歩き出した。


また心臓が早くなった。



あたしおかしいよ…こんなにドキドキしてる。



なんで?



今までこんなにドキドキしたことなんてなかったのに―