階段まで早歩きで向かう。 早くお礼が言いたい―その思いがあたしの足を進める。 ―――いた… 階段に座っている工藤君の姿を見つけた。 あたしは深呼吸をしてから近寄った。 「あのー…」 「うわっ! …あ、樹里ちゃんどしたの?」 ビックリしたーと言って微笑む工藤君に心臓が鳴った。 「あ、えと…。この間はありがとうございました!」