「早乙女樹里」 早乙女さんはそれだけ言うと教室を急いで出て行った。 早乙女樹里…かぁ。 本の続きを読んでいると、太陽が戻ってきた。 「たっだいまぁ~」 太陽の顔が少し赤かった。 「おい、顔赤いけど、熱でもあるのか?」 「へ? いや、無いよ」 「時雨ー、さっきまで誰かいたのか?」 ちょっとドキッとした。 「別に…」 ドキッとしたのがバレないように素っ気なく答えた。 「そうか」 なんで分かったんだろう…。