「…ただいま」 もう家に着いたのか…。 リビングにはお袋と制服のままの太陽がいた。 親父は仕事で遅くなるって言ってたな。 俺は自室へと入り着替えて一冊の本を持って下へ降りた。 自分の定位置のイスに座って本を開く。 樹里――かぁ… 呼ぶと言ってしまったからには呼ぶしかない。