完璧王子 〜最愛の彼〜


それからは面白いくらいにボールがピンに当たり、ブルーだった私は元気になった。


いつのまにか、あれだけ帰りたかった気持ちがなくなっていた……


ふと、聖矢に声をかけようと思い聖矢を見る……


聖矢はライターを見つめて何度もつけたり消したりしている……


気になった私は、

「綺麗なライターだね」


聖矢は寂しそうな顔で話し出す。

「これ、彼女からもらったんだ。
彼女、県外の大学いくので今日出発したんだ。
それで、何故かこの光るライターくれたんだよね。
握ってないと落ち着かなくて…」


"彼女いるのわかってたのに、こんなに胸が痛いなんて…"


私は泣きそうなのをこらえた

寂しそうな聖矢の横でただずっと一緒にいることしかできなかった…