【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐



……うーん。

俺とあの子、どこで会ったんだろ?


女の子の顔と名前は、絶対忘れないんだけど…。

……あ、実は元男とか!?
…って、んなわけないか。


2つ下の子、かぁ…。




「…同じ中学とか?」


……うん。

それ以外で思い付かないから、「そうだ」と思って考えていこう。



「んー…」


中学ん時の俺って、どんなだっけ?

まぁ…、今と変わんないか。


イケメン天然馬鹿な龍輝の引き立て役。

その龍輝と仲のいい朔ちゃんをからかって、
体力馬鹿の健ちゃんに男を紹介したり…。


んー、思い出せば思い出すだけ、今と変わんねー。

昔っから馬鹿だな、俺。


まぁ…、そんな俺と今でも一緒に居てくれるアイツらも馬鹿だってことになるけどね。




「…あ、でも一時期…、龍輝と離れてたことがあったっけ」


3年になってすぐ、なんか、意見のすれ違い?みたいなので喧嘩して。

朔ちゃんと健ちゃんが宥めてくれたけど、しばらくの間、口聞かなかったんだよな。


朔ちゃんと健ちゃんは龍輝寄りだったから、俺は孤立しちゃって。

…で、放課後はいつも一人でフラフラしてて。

それで辿り着いたのが、体育館裏。