【完】サクラのうた ‐桜庭 大雅‐



「えっと…ごめんなさい、そういうのは…」


…あはは、断られた。

まぁ、急にそんなこと言ったら断られるよなぁ。
真由ちゃんにもしょっちゅう断られてたし。


んでも、このままバイバイっていう気にはなれないわけで。




「じゃ、とりあえず飲み物くらいは奢らせて?」

「あ…はい…、飲み物くらいなら…」

「ん、じゃあ行こ」

「はいっ…」


またスッと手を伸ばし、彼女の手を掴む。


あれ。
そういえば俺、この子の名前知らないや。




「えっと、キミの名前は?」