それから街をうろついた。
あれからずっとあの時の華夜の姿と
絶望と悲しみと痛みに顔を歪める華夜の表情が頭の中で何度もリプレイされていた。
横断歩道の信号機の下で、
ただぼーっと、佇んでいた。
すると前から見覚えのある姿を見つけた。
華夜だった。
華夜は俺をじっと見つめていた。
歩くペースを落としながら。
『キャー!』
悲鳴が聞こえた。
なにかと思い辺りを見回すと
トラックがクラクションを鳴らしながら華夜に突っ込もうとしていた。
華夜は気づいてない。
「華夜!!」
俺は叫びながら あと10歩程の距離にいる華夜の元に走った。
もう少しで手の届くところで
ドンッッ!!!
華夜の体が宙を舞った。
周りからは悲鳴が聞こえる。
俺は急いで華夜の元に向かった。
「華夜!!」
華夜は目をつむっていた。
全身と言っていいくらい血だらけだった。
特に頭からの出血がすごかったし、血の水溜まりができていた。
『救急車呼びましたから!』
周りの人達が救急車を呼んでくれたようだ。
「華夜!もうちょっと我慢してな……」
俺は華夜をゆっくりと抱きしめた……
