結人にきらわれた。
痛い。下腹部よりも、殴られた場所よりも、心が痛んだ。
何かが、何かの感情が消えた。
しばらくしてあたしは家に帰ることにした。
家に帰りたくない。
フラフラと、夜の街をフラつく。
信号を渡ろうとしたら丁度信号が青になった。
横断歩道を渡る。
渡りきるまであと10歩程の所で
向こうの歩道に結人を見つけた。
結人は丁度10歩程の所にある信号機の下に居た。
「――…っ」
歩くペースが遅くなったのが自分でも分かった。
じっと見つめていると、結人があたしに気づいた。
あたしは何も聞こえなかった。
周りが悲鳴をあげていること。
大きく鳴るクラクションの音。
周囲の人があたしの方を酷く驚いた表情をして見てくるのは、
あたしの着ているボロボロの服を見たからって思っていた。
ドンッッ!!!
ナニかがあたしにぶつかった。
そう理解した瞬間、
あたしは結人を見ていたはずなのに、急に景色が変わった。
それと同時に激しい痛みと、
急激な眠気が襲ってきた。
ナニガオコッタノ??
