勉強道具ばかりか、


筆箱さえも持っていない……


「それでどうやって勉強するつもり?」


「うっ…返す言葉もありません~」


顔を隠しながら自分の部屋へ走る姉を、


妹はクスクス笑いながら見送った。


「サクにぃもたいへんだな~


こんな鈍感娘が彼女で……」


他人事のように呟いて、自分の部屋へ戻る。


実際他人事だしね。