そんな涼を見ていたら、なんかもう胸がキュ〜って締め付けられた。


私はまた、涼の首もとにギュッと抱きつく。




「…好き、涼。大好き」



想いはごく自然に、言葉となって出てきた。


そっか…


私、涼にまんまと恋しちゃったんだ。




「…初めて咲が好きって言った」


涼が身体を離すと、驚いた顔で私を見る。


「え…そ、そうだっけ?」

「ねぇ、もっかい言って」

「えぇ?!やだよ、そんな…」


「言えよ、咲。

俺のこと、どう思ってんの?」



だからなんでアンタは、そんな偉そうに……




「……好きよ、涼」


ちょっと悔しいけど、私は言った。


「ははっ」


涼が笑う。


その表情は、どこか嬉しそうだった。


「な、なんで笑うの?人が真剣に言ってんのに…」




私の言葉を遮るように、涼が私の顔を引き寄せて唇を重ねた。






「好きだよ、咲。咲は?」


「う、うん…私も好き」





私がそう答えると、涼が満足そうに微笑む。


また、唇が重なる。




…好きって、なんかくすぐったい。


だけど、涼の好きは心地いい。



涼が笑顔になるのなら、私もこれからは何度だって言うから。





好き…好きだよ、涼………