Sugar × Spice Ⅲ〜ハジメテは年下幼馴染〜



「どうしたんすか?こんなとこで」

「あ…涼にコレ届けにきて…涼、どこにいるか知ってる?

大学って広くてよく分からなくて」

私はレポートを掲げて言った。

「あぁ、わざわざ彼女さんに届けさせたんすか、涼のやつ」

「涼ならさっき第二図書館に…あ、噂をすれば」



彼らの視線の先に目を向けると、そこには涼の姿……



「??!」



私は目を見開いた。


涼の隣には、女の子が一緒だ。


「あーあいつまたアユミ先輩と!!」

「だ、だれ?あの子」


私は2人に向かって聞く。


「アユミ先輩は3年生で、去年のミスK大っすよ!
卒業したら、NBSの女子アナ内定っすよ!

俺ら男子生徒の憧れの的なのに、あいつまた…」

「アユミ先輩、入学した時から涼のこと気に入ってるんすよ。

なんであいつばっかモテるかなぁ…」


ミ、ミスK大…?

女子アナ?

確かに可愛い…



しかも、私よりおっぱい大きい……!







「咲……」


涼が私の姿に気付いて、近寄ってきた。


「なにしてんだよ、ここで…」

「こ、これ、忘れ物!大切なレポートなんでしょ?」

私は封筒を涼に差し出す。


「母さん、咲に頼んだのか?」

「うん、町内会があるから行けないって」



「ねぇ涼、誰?この人」


その時、そのアユミ先輩とやらが涼の服を掴んで聞いた。

しかも、涼って呼び捨て……



「アユミ先輩、この人涼の彼女さんっすよ!ね?涼」

「え、そうなの?」


涼の友達が私をフォローするように言った。




「やめろよ、関係ねぇだろ」


だけど涼は、そうイライラしたように怒鳴る。


「咲、わざわざありがとな。1人で帰れる…っておい、咲!」



私はレポートを涼に押し付けるように渡すと、その場から走り出した。