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『‥‥広すぎるだろ。』


私は今、この大きな大きな校舎の中で地図を持ちながら歩き続けている。

もういい加減イライラしてきたんだけど。

つーか何なの?個人別に地図のいる学校って。

と言うかこんなことになったのも、
全部が全部、うち父さんやら兄さんやら、
あのクソオヤジのせいなんだ・・・。





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―春休みの後半。

あとちょっとで高校生になると言う、
ウキウキとした気分に私が包まれている頃。

父さんはとても申し訳ない様な顔をして

「小夏、・・・ちょっと話があるんだ。」

と言い私を呼んだ。