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カーテンを開けた。

もう外は、真っ暗になっていた。

すぐに見下ろせる、ありきたりの世界。


今まで眠っていた体を起こして、私は目を擦る。


部屋を見渡しても、要は居なかった。



要、にはもう一つの顔がある。


普段は、好青年で、仕事が出来る、完璧な人間。

それと、私にしか見せない、強欲で、乱暴で、妖艶で、異常な人間。



私は、好青年の要より、狂ってる要がすき。



“化けの皮”を被ってるニンゲンが、一番嫌い。


それは要が、一番嫌ってることだから。

だから、私も嫌い。