ざわざわとうるさくなる車内。 冷たいと言われている現代の世の中も捨てたもんじゃないね。 色々な人があたしを心配してくれた。 でも……。 あたしの真後ろに立っていた痴漢とおぼしき男。 どうやら高校生のようだ。 彼はぽかんと口を開け、両手を上げている。 「あんたねーっ!?同世代の女の子傷つけてーっ!!」 近くにいたおばちゃんたちが彼を取り押さえようと、大勢で飛びかかる。 彼は未だ状況がわからないといった顔で、おばちゃんから飛び退く。