この人痴漢です!


耳元で囁かれた甘い言葉。

ここで易々と許したら、軽い女だと思われちゃう。


でもちょっと、してもらいたかったなんて……思ってない思ってない!






「顔、真っ赤だよ?キスしてほしいの?」


「う……っ」






目の前に歩み寄られる。

彼は妖しい笑みを浮かべ、あたしを見下ろす。


ヤバい……襲われる!








「……なんつって」


「……え?」





そう言うと、羽生先輩は百八十度回転して、スタスタと歩いていく。


ちょ、何これどういう展開!?