へなへなと身体の力が抜けていく。 「わ、ちょっと河北さん!?」 「ん……」 気づくとあたしは、羽生先輩の腕のなかにいた。 暖かくて、優しくて、すこしゴツゴツした羽生先輩の腕のなか。 「おーい」 頭が働かないあたしの頬を、先輩が叩く。 気持ちいい……ずっとこのままでいたい。 このまま眠ってしまおうか。 そんなことさえ思った。 「起きないとキスしちゃうよ?」 パーン!! 「ふさげんなっ、変態!!ドエロ!!!!」 あたしは先輩を突き飛ばして戦闘体勢になる。